エステサロンの開業準備とは？
テナント店舗探し、「居抜き」とは
エステサロンに限らず、お店を開くときに一番大変なのが初期費用。テナントの保証金の他、水道などの設備工事、内装費など、まとまった金額が必要になります。これを大きく節約できるテナントが「居抜き」物件です。初期費用を抑え、しかも素早く開店することができれば利益も出やすく、サロン開業を目指す人には夢のようなお話ですね。今回は、居抜き物件とは何か、借りてお店を始めるのに注意すべきポイントなどをまとめてみましょう。 > お気に入りに登録する
「居抜き」って何でしょう？
「居抜き」の反対は「スケルトン」と言います。前にその物件を使っていたお店が退去するとき、内装や設備を全部撤去して、何もないコンクリート打ちっぱなしの状態に戻して出ていくこと。スケルトンとは骨格のことですから、物件が骨組みだけになるようなイメージの言葉です。
スケルトンの状態でお店を借りると、自由に設備を置いたり、インテリアをしつらえることができ、自分の思い通りのお店をつくることができます。でも、その分工事や内装に時間も費用も多くかかるでしょう。まだ売上がないときに先に大きな費用がかかるのは大変です。
そこで注目されるのが居抜き物件。居抜きで借りられたら内装工事も短く、初期費用もぐっと少ないことが期待できます。
前に入居していたお店が同じようなエステサロンだったら、壁も水道設備も「ぜんぶそのまま残しておいて！」と言いたくなりますよね。ビルオーナー側でも同じ業種が入ってくれるならとそのままに残し、前のテナントさんはスケルトンに戻す「原状回復」の費用をあまり払わなくて済みます。
インターネットで物件探しをするなら、一度は「サロン 居抜き」といった言葉で検索して、居抜き物件にどんなものがあるか、調べておきたいものです。
居抜き物件を借りるメリット
居抜き物件は設備や内装がそのまま残っていることが多いです。つまりそれをつくる工事費がかからないし、開店準備期間が短くて済みます。
初期費用を抑えて素早く開店することができるというのが最大のメリットです。
ただ、不動産広告に「一部居抜き」といった表記がある場合は見落とさないようにしましょう。水道設備だけ、インテリアの一部だけ残っている、といった場合があるのです。得する部分も一部だけになってしまいますから、きちんと確認してから契約しましょう。
注意すべき点としてはどんなことがある？
スケルトンなら「ここにソファーを置いて」と全部自由に決めることができます。反対に居抜きの場合は、内装などが思い通りにならないのが普通です。その分初期費用を安く抑えて利益を出しやすいのですから、少しぐらいイメージが違っても我慢が必要かもしれません。「最初は居抜きで頑張って、やがてはスケルトンで思い通りのお店をつくるぞ！」と成功に向かって頑張りましょう。
もう１つ気になるのは、前に入居していたエステサロンはどうして退去したのか？ ということです。商売がうまくいかなかったのかもしれません。「お店を出したけどぜんぜんお客様が来ないようなビルだったらどうしよう…」と不安になるところです。
でも、もしかしたら成功して大きな物件に移転したのかもしれません。長年問題なく営業して、引退されたということも考えられます。
いろいろ想像していても始まりません。できるだけ不動産屋さんに確認するようにしましょう。確認すべき点は次の3つです。
① 何年ぐらい営業しておられた？
比較的長く営業していたなら、「ぜんぜんお客様が来ない」ということはないと安心できますね。
ただ、営業期間が長かった物件の居抜きでは、設備などが古く傷んでいる場合がありますから、そのあたりもしっかりチェック。設計を頼む予定の設計士さんなら設備を見る目も肥えていますから、一緒に行ってもらえるように頼んでみるのも良いでしょう。壁にひびがはいっているなどを見落とすと、自分が退去するときにその補修費用を請求されることもありますから、目を皿にしてチェックしましょう。
② 営業時の水道光熱費などはどれくらい？
電気代、水道代などは設備で変わります。居抜きで設備を引き継ぐということは同じような電気代や水道代がかかるということ。「立派な設備がそのまま使える！」と喜んでいたら高い電気代がかかった、というのはよく聞くお話ですから、こちらも不動産屋さんに確認しましょう。
③ 退去された理由は？
一番気になるのがこのポイントですね。遠慮して聞かないのは損。「物件としてお客様が来にくい」ということなら、かなり集客策をがんばらないといけません。
「前の入居者が失敗して近所に悪評がたった」といった理由だったら、その風評が同じ場所にできた新しいお店にもついてしまうことも少なくありません。オープニングの告知をしっかり行うようにしましょう。
近くの喫茶店に入って評判を聞くといったこともできます。退去が最近なら、前のお店のホームページやブログが残っていることもありますから、所番地で検索してみましょう。
居抜き物件の成功はスピードと外観一新！
前の入居店の設備を引き継ぐ居抜き物件は、同じ業種の人が借りに来ないと空きの状態が続いてしまうので、ビルオーナーさんにとってはスリリングなこと。必然的に「居抜き物件は数が少ない」と思って探しましょう。人気地域の居抜き物件は、空いたらすぐに埋まってしまうことも少なくありません。
今でこそ居抜き専門の物件検索ホームページもいくつもできているので、サロン物件自体を探すのには苦労しなくなりましたが、「キープしてもっと探してみよう」とのんびりしてはいられません。
テナント選択はお店づくりの後半戦。お店を決めたらあと２、３ヶ月でオープンするのです。ラストスパートと考えて、スピード感を持って臨みましょう。
居抜き物件でのサロン開業に成功するためにもう１つ大切なポイントは、外観や広報に力を入れること。上の「退去された理由は？」のところで少し触れましたが、前のお店の評判がついてきてしまって、新しいお店にはぜんぜん関係ない理由で苦労することもあるので、注意が必要です。
そのためには、しっかり外観を変え、 「別のオーナーによる全く新しい店です」と理解してもらえるようにします。地域コミュニティのリーダーや喫茶店オーナーなど、地域のコミュニケーションの中心になる人への挨拶やサービスも考えましょう。イベントを開催して、新しいお店として印象づけることもスタートダッシュには効果的です。
こうしたポイントがあっても、居抜き物件は初期費用を抑えられるという大きな魅力があるものです。良い物件に出会ったら、しっかり準備してスタートダッシュを決めるようにしましょう。
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