エステサロンの開業準備とは?
エステサロンの開業までのスケジュール
エステサロンを始めたい! 夢を実現するための準備をスタートさせましょう。あんな店にしたい、こんなメニューをつくりたい、とイメージが広がるものです。でも、いきなりテナント店舗を借りに行ってしまってはいけません。スケジュールを組み、きちんと時間をかけて、準備をしたお店が成功を手にするのです。今回は、どれだけの時間をかけてどんな準備をすれば良いのか、そのスケジュールについて見ていきましょう。 > お気に入りに登録する
大きな紙を広げてスケジュールを描きましょう
エステサロンに限らず、自分のお店を持つというのはとても魅力的。ついテンションが上がってしまいます。でも、舞い上がった勢いでお店を借りに行ってはいけません。
まずは下の図のようなスケジュールをしっかりたて、じっくり進めていくのが成功のカギです。お店をつくるというのは「半年はかかるものだ」と思っておきましょう。
下図はあくまで概略のスケジュールなので、これをどれだけ細かくつめていけるかが大切です。今回はまずおおざっぱな準備の流れを確認しましょう。次回から、ひとつひとつ細かく見ていくことにします。
フェースでは、直営サロン「ザ・フェース」を多店舗展開しています。私たち自身が何度も新しいお店を出店し、経験を積んできました。何度やっても、お店はそれぞれある街も住む人も違うので、毎回新鮮な楽しみや発見がたくさんあります。
ぜひご相談ください。私たちの経験をお伝えすることができます。
どんなお店にするか、じっくり考えて
まずは上図の青いラインのところ。どんなお店にするかを計画する期間です。忘れてはいけないのが、図の6ヶ月間は、お店づくりの「最後の6ヶ月」だということ。この6ヶ月に突入する前に、ゆっくりと「どんなお店にしようか」「お金はどれぐらい準備できるか」ということは考えておきたいものです。
どんなお店にするか? という質問にはいくつかの種類があります。
お店はテナント? それとも自宅?
自分ひとりのお店? それともスタッフを雇って回していく?
どんなところが他のお店と違うお店にしたいか?
上図のスケジュールは「テナント店舗」を借りてお店をつくるという方法ですが、自宅サロンという方法もあります。賃貸マンションの一室を借りれば、店舗ビルのテナントよりは賃料が安いし、懇意な美容院の一角を間借りしてフェイシャルのサロンをスタートさせる方もおられます。
スタッフのことも考えておきたいポイント。初めてサロンをつくるとき、いきなりたくさんのスタッフを雇って、と考える人はあまり多くはありませんが、テナントを借りてお店を出すなら、スタッフの力は重要。施術スタッフだけでなく、受付やお会計などの事務的な業務にもスタッフがいるかもしれません。
こうしたことも「どんなお店にしたいか」の大切な一部分です。
あなたのお店は他のお店とどこが違いますか
「自分のサロンをつくりたい」と考えるとき、多くの人がイメージするのは「前に行ったことのある印象の良いサロン」。逆に「あのサロンのこんなところが嫌だったから」と考えることもあるようです。
でも一番大切なのは、「お客様に選ばれるサロン、長続きするサロン」をつくるということ。他のお店ではなくあなたのお店が、お客様に選ばれる理由は何でしょう?
「他よりもリラックスできて、気持ちよくなれるサロン」
「フェイシャルの施術が上手で、お肌の悩みが解決するサロン」
など、答えはいろいろありますね。
まずはそれを大きな文字で紙に書いてみましょう。
書いたらその下に、「それはどうして?」と書いてください。これが大切です。何となくのイメージで良いお店を想像することは楽しいことですが、実際にお店を開くのであれば、それを具体的に形にすることになります。
「他よりもリラックスできて、気持ちよくなれるサロン」
↓ そのためには
「受付やベッドまわりがゆったりして、日常を忘れられるから」
こんな具合に、少しずつお店の良さを目に見えるものにしていきましょう。
テナント店舗物件選びは慎重に
テナントを借りてお店を出すというのは、初めての方には分からないことだらけ。だから、「考えていても分からないから、まずは不動産屋さんに行ってみよう!」「実際の物件を見た方がイメージしやすいんじゃないかな?」と思いがち。
でもあわてるのは禁物。一番時間をかけて慎重に選ばなければいけないのがテナント物件です。
インターネットで調べると「エステサロンの居抜き物件」といった記事や情報がいっぱい出てきます。具体的な物件を見ると、「今なら安い!」「このチャンスを逃したら損するのでは…」とつい思ってしまって、他には何も決まっていないのに、お店だけ先に契約してしまった、というお話が少なくありません。
居抜き物件とは、同じようなエステサロンが入っていたテナントが空いているので、そのまま借りられる、ということ。大きな内装工事が必要ないので予算が少なくて済むのがメリットです。
でも、どうしてその場所で前のエステサロンが営業をやめたのか? というのは気になるところですね。成功してもっといい場所に転出したのなら良いのですが、お客様が来ない場所で店をたたんでいたとしたら、そんな場所にお店を出すのは考えものです。あわてて居抜き物件に飛びつくのは、注意が必要です。
テナント物件は契約してしまうと、お店を開店していなくても家賃がかかりますので、物件を契約するのはなるべくぎりぎりにしましょう。そこからは3~4週間かけて内装・外装を設計・施工して、開店の1~2週間前ぐらいに内装が完成して引渡しとなります。最後の1~2週間は道具を揃えて、オペレーションの練習をして、宣伝をして、と怒涛の開店準備。お店づくりで一番わくわくする期間ですね!
逆算すれば、開店2ヶ月ぐらい前に契約をすることになります。それまではじっくり店舗選びをする時間にあてましょう。
まずはどんなお店にするか、コンセプトができたら、そのイメージにあった場所を歩きます。駅前なのか、少し歩いた商店街か、住宅街の一角か。平日や土日など、時間を変えて何度も歩いて、街を知りましょう。
「お客様になりそうな人がどれぐらい歩いているか」
を調べましょう。同じような家賃になる「駅前徒歩何分」の立地でも、人の流れがぜんぜんない通りもあれば、にぎやかな道もあります。ちょっと狭い道だなと思っても、スーパーマーケットなどのお店の場所によって、ターゲットとなる世代のお客様がたくさん通る道も見つかるでしょう。
「ライバルになりそうなお店はどこにあるか。繁盛していそうか」
というのも大切な調査。インターネットやSNSでも検索して、近くにどんな同業店があるかをじっくり調べます。本当にライバルになりそうなお店が見つかったら、店構えや外に貼り出されたポスターなどを観察して、どんなお店か、さらに深く調べます。
テナント物件選びは、お店のコンセプトをつくり、こうした調査をじっくり行ってから、時間をかけて選ぶようにしましょう。
スタッフ集め、宣伝の計画なども忘れずに
最初のスケジュール表を見れば、スタッフ集めにも時間がかかることに気づきます。今は人手不足で多くの会社やお店が困っている時代。ましてエステティシャンは専門的な技術が必要な仕事です。じっくり時間をかけて人探しをするものだと考えておきましょう。
また、多くのエステサロンでは「集客」が悩みの種となっています。一度来店されたお客様をリピーターにするのは自分の腕次第、というところもありますが、そもそも最初のお客様が来るようにするには宣伝が欠かせません。ホームページをつくったり、チラシをつくって配るのには、ひとつひとつ時間がかかります。
まずは、全体のスケジュールをしっかりつくって、「そろそろこれもやらなくちゃ」と、忘れずに進められるようにすることが大切です。
考えることがいっぱいあって大変! と思うところですが、だからこそうまくいったときの喜びは、お店づくりならではのもの。フェースの経験をお伝えして、ぜひ成功を味わっていただきたいと思っています。
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