エステサロンのための経営講座

サロンにカルテが大切な「理由」

多くのサロンでカルテが使われています。初来店時にお名前や住所を記載するのがカルテの始まりで、サロンの顧客管理には欠かせません。
でも、住所や氏名、来店日を記録するだけではもったいないのです。
カルテを活用すれば、サロン経営はグンと良くなります。もっと有効活用してみましょう。

まずは、予約のお客様が来られる前に、カルテをチェックしていますか？ カルテを確認し、前回の施術の効果や感想をうかがう会話から施術を始めれば、 「私のこと、肌のこと、よくわかってくれてる」 と感じてもらえ、満足度アップにつながっていきます。

また、しばらくご来店がないお客様に、お声かけできていますか？ いいタイミングでDM等でご連絡をすることで、 「あ、私のことを覚えてくれている、気にかけてくれてる」 と感じてもらえ、再来店のきっかけとなっていきます。

サロン経営で一番大切なのは、「お客様との信頼関係を築くこと」です。それがリピート来店いただくための基本です。そのためにも、カルテにしっかり記入し、施術前にはそれを読み返したり、適切なアプローチをすることがとても大切なのです。

カルテに必要な項目

① お客様の個人情報

住所やお名前だけでなく、仕事や趣味、お酒やたばこをたしなむか、好みやアレルギーといった個人情報は、肌の状態を知るために欠かせません。また、お客様と会話を弾ませ、距離を縮めるにも大切な情報です。

② お客様のご希望や不満

どのような肌、自分になりたいか、お客様の希望をしっかり理解することは、良い施術やカウンセリングを行うには重要。サロンを変わられた方なら、その理由をうかがっておけば、ご期待に沿いやすくなります。

③ 施術や販売品の記録

どのような施術を行い、どのような化粧品をご購入いただいているか、ということも記録しておきましょう。

これらを見返すだけで、お客様の今の状態、そして、次に何を提供すべきかが分かってきます。
施術前に丁寧にカルテを読み返して、お客様との距離を縮め、良いサービスや商品をご提供すれば、きっと良いお客様になっていただけるはずです。

フェースでは、FMC（フェースメンバーズクラブ）でご契約サロン様向けにフェースならではのノウハウが盛り込まれたカルテを販売しています。是非ご利用ください。

カルテは積み重ねてはだめ！

最近はパソコンやスマホアプリでもカルテが管理できるものが増えていますが、お店を始めて1年ほどの期間は、まずは紙で管理することをおすすめします。
紙なら自分の手書きでちょっとしたメモを追加できますし、そのメモを見るだけでその時の状況が思い出せますよ。

管理するカルテの量はどれくらいになるでしょうか。
ベッド1台あたり、1日4人として、ベッド2台のお店では月に200人前後のお客さまが来ることになります。1人が2カ月に1回来店するなら、活動しているカルテは400枚。ご無沙汰のお客様が同じぐらいとすると、800枚のカルテがあります。なかなかの量ですよね。

これらをどう整理して活用していくかが重要です。
絶対NGなのは、写真のように紙を積み重ねることです。下の方が取り出せなくなってしまいます。

カルテは必ず立てて収納すること。
50音順に、サクッと取り出せるように並べておきましょう。

3分類と棚の工夫で管理もラクラク！

まず、カルテを置く棚は、スペースに余裕を持たせて準備するのがポイントです。 増えたり、並べ替えにも対応できるようにしておきましょう。

次に、カルテは次のように分けて整理すると便利です。

①ご予約いただいているお客様
②半年以内に来店いただいたお客様
③半年以上ご来店いただいていないお客様

①は予約日時順に、②と③は五十音順に整理するとスムーズです。
②と③の期間はサロン様によって足が遠のいているお客様へDMを送る基準の期間で設定されると良いでしょう。

また、カルテ自体にはインデックスシールを貼って、お客様の苗字の最初の2文字を書き込んでおけば（山田様なら「やま」）、50音順に並べるのも楽になります。

カルテは月に一度程度整理しておくと良いでしょう。

これで、最近来店したお客様やご無沙汰のお客様が一目で分かります。半年ご来店がないお客様にはDMを送るといった管理がとてもスムーズになりますよ。

紙のカルテに慣れてきたら、どの情報をデジタルデータにしておくと便利かがわかってきます。少しずつ併用して試してみましょう。紙とデジタルデータを上手に使い分けて活用することができます。

カルテには、サロン経営で一番大事な「お客様との信頼関係を築く」ための宝の情報が詰まっています。上手にカルテを管理し活用することで、良いお客様づくりにつなげていきましょう。