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エステサロンのための経営講座

エステサロンで「売上を伸ばす」のと
「利益を伸ばす」ことの違いは?

エステサロンで最も頭を悩ませるのはいつも「集客」のことです。それは「売上」を伸ばすためなのですが、効果のないチラシをまいたり、ネット広告を出してしまうと、「経費」が増えるだけ。売上を伸ばすどころかかえって利益を減らすことにつながってしまいます。利益を伸ばすというのは何なのか。今回は「損益分岐点」という考え方をご紹介して、利益の伸ばし方を考えていきましょう。 > お気に入りに登録する

利益を伸ばすために大切なこと

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利益を伸ばすために大切なこと

例えば美容ポータルサイトに10万円で広告を出したとしましょう。広告からの反応を得るために半額のクーポンを付けました。その結果、3人の新規顧客が来てくれました。普段の客単価が8,000円だとすると、このお客様は4,000円×3人で12,000円となります。

これは広告費の10万円とまったく引き合いません。もちろんこの3人が今後通常価格で何度も通ってくれたら

8,000円 × 3人 × 4回 = 96,000円

と、4、5回のリピートで広告費の元をとることができるかもしれません。でも、1人でも「クーポン狙い」の人だったらこの計算も成り立ちません。

つまり、この例では「売上を増やす」ためのアクションが、「経費を増やす」ことにつながってしまって、「利益を増やす」ことにならなかった、ということになります。

効率良く利益を伸ばすにはどう考えれば良いでしょうか?

そのためには利益がどうやって生まれているかをもう少し細かく考える必要があります。

「損益分岐点」って何?

「損益分岐点」って何?

別の例で見ていきましょう。あるお店では家賃が10万円かかっています。また、1人のお客様があると、材料費や光熱費で1,000円の費用がかかります。これはお客様が1人も来なくてもかかってしまいます。ただ、お客様が1人も来なければ、技術に使う化粧品も要らないし、水道光熱費もほとんどかかりませんね。だとすれば、次の図のようになります。

損益分岐点

今、客単価が8,000円だとしましょう。1人のお客様が来たらどうなるでしょう。

損益分岐点

売上が1人分入りました。8,000円です。家賃は相変わらず10万円ですが、1人のお客様の施術のために材料費や光熱費が1,000円かかりました。

これで、15人お客様があったとしたら、どうなるでしょう?

とうとう売上が経費を追い越す瞬間!

とうとう売上が経費を追い越す瞬間!

売上が経費を追い越す

売上はもちろん人数分増えていきます。家賃はずっと10万円のままですが、人数分増えていく経費もあります。お客様が増えるごとに差は縮まり、13人目でついに売上が家賃を追い越しました。

15人目のお客様で売上が120,000円になり、家賃+経費は115,000円、とうとう売上が支出を上回りました。その差は5,000円。これこそが「利益」なのです。

これを整理すると、次のような図にすることができます。

売上が経費を追い越す

家賃のように同じだけかかる経費のことを「固定費」と言います。それに対して、光熱費や材料費のように、仕事をしただけ多くなる経費のことを「変動費」と言います。固定費と変動費を合計したものが全体の費用となります。

売上を上げていけば、次第に青い矢印が右上がりになっていって、あるところでついに費用に追いつき、追い越します! そこから先は、利益が出ていくのです。上の図で右上の方に水色の三角がありますが、ここが利益です。

Bの点のところで「経費=売上」になり、ここがちょうど「プラスマイナスゼロ」。ここから先は利益があり、ここより手前は赤字です。これを「損益分岐点」と呼びます。

利益を伸ばすために不可欠な考え方

利益を伸ばすために不可欠な考え方

さて、損益分岐点の図を改めて見てみましょう。この図の中に、どのように利益を増やしたら良いかが全部書かれています。

損益分岐点

私たちがお店を運営するためには、2つの経費がある、ということをまずしっかり覚えましょう。固定費と変動費です。家賃など、お客様がなくても毎月決まってかかる費用が固定費。これは一度始まったらなかなか引き下げることができません。

一方、水道光熱費など、仕事をすればするほど増えていく費用が変動費です。仕事をすればするほど、と言っても、他に広告宣伝費のようなものも変動費に入ります。こうした変動費は工夫次第で下げることができます。

ところが、この変動費をちゃんとチェックせずにしているお店がけっこう多いのです。美容ポータルサイトの出稿料やチラシなどを見直せば、低く抑えることができるでしょう。

落ち着いて分類したいのは人件費です。決まったスタッフを雇っている場合は固定費として毎月かかってきますが、繁忙期にヘルプのスタッフを入れて乗り切ろう、といった部分は変動費として扱うことができます。これもうまくシフトを組んで、調整することが大切です。

客単価を高められたら

テナント家賃が高すぎる、などの「固定費高すぎパターン」はなかなか利益が出ずに苦労することになります。起業時につい無理してしまった、ということもありますから、思い切って家賃の安い物件を探し直すことも検討しましょう。

月に5万も10万もするような高額の美容機器をリースするのもこのパターンです。

一方、広告宣伝費をかけすぎている、とか、店内の音楽や香りに凝り過ぎているといった「変動費使いすぎパターン」は非常に多く見られる症状だと言えます。美容ポータルサイトの費用では、検討せずに毎月同じ金額払い続けて固定費のようになっているけどあまり効果が出ていない、といった状態も少なくありません。

そうした場合には、広告宣伝による集客から、今来ているお客様をリピーターにする、今来ているお客様に新たなコースメニューや化粧品をお勧めする、といった方式で、広告宣伝に頼らない売上拡大を考えましょう。

上の図で、売上を表している青い矢印の傾きは「客単価」を表しています。この傾きが小さく、青い矢印が倒れてしまうと、どれだけお客様を増やしても追いつかなくなってしまいます。基本的なコースメニューの価格設定が安すぎるとか、割引クーポンでの新規集客ばかり行っていると、この状態となっている可能性があります。

これまでのコースメニューにオプション施術を加えて、今通っているお客様にお勧めしていけば単価を上げることができます。もちろん、新たな上位コースをつくって内部のお客様に移っていただくのも客単価向上につながります。

また、お客様にあったスキンケア化粧品をしっかりお勧めしてご購入いただくことができれば、これまでとはまったく違う客単価が生み出せるでしょう。

経費と売上を整理して、損益分岐点の図をつくってみることで、サロンの経営を改善することができるのです。

今の状態のままで「売上を伸ばそう」と頑張るだけではなく、変動費を引き下げたり、単価を高めることで、「利益を伸ばす」ことを考えていきましょう。

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